時間旅行社ネットワークについて
法人設立の経緯
一般社団法人時間旅行社ネットワークは、2023年8月4日、鹿児島市にて旗揚げされました。
その原点は、今から10年前にはじめた「時間旅行社プロジェクト」にあります。
当法人設立時社員のひとりである井手弘人(長崎大学人文社会科学域教育学系准教授)が、地元郷土史家や地域住民の方々とともに、自分の故郷である鹿児島県垂水市ではじめた旧海潟造船所に関する歴史の掘り起こしと、自らが育った同市本町(ほんまち)の歴史をはじめとする、地域のデジタルアーカイブ作成を開始し、SNS等で「垂水時間旅行社」を立ち上げたことがそのきっかけです。
以来、長崎大学の井手ゼミ学生を中心にして、垂水市以外でも子どもたちとお年寄りとの地域史に関するワークショップを開催したり、いわゆる「コロナ禍」のときは子どもたち向けに家にいても地域のことを学習できるオンライン教材を作成したりするなど、少しずつ歩みを進めてまいりました。
期待をして下さる方々が増えるとともに、この活動をもっと持続可能で、多くの方々に楽しんでいただけるような「仕組み」のもとで、かつ、地域を活性化する「産業」として高めていくことはできないか、と考えるようになり、普段から想いを共有する、世代をこえた仲間たちとともに設立したのが、いまのわたしたちの姿です。
設立趣旨(設立趣意書より)
一般社団法人時間旅行社ネットワーク
設立趣意書
いま、わが国は少子高齢化および人口減少社会へと突入しています。
このことは、単に生産力の減少を引き起こすのみならず、地域が固有にもつ文化的な持続可能性をも危機に直面させる、極めて憂慮すべき状況です。たとえば、これまで地域にあった慣習や過去の歴史的な記録や記憶が、継承すべき次世代と出会うことなく消滅したり、本来持っている価値を正当に評価されないまま廃棄されてしまったり、コミュニティが維持してきた「地域知(local knowledge)」の存在があまり意識されることなく、静かに、しかし確実に、「なかったもの」になっていく状況が、あらゆる場所で起こり得るのです。
また、人口減少社会は、とくに各地の中心商業地区の縮小を加速させる要因になっています。商店自体の高齢化も重なり、長い歴史のなかで形成されてきた各地のコミュニケーションエリアである「まち」が、いわゆる「シャッター街」となり、存続の危機を迎えているところも少なくありません。
こうした状況を可能な限り防ぎ、それぞれの地域、さらには個人の積み上げてきた多様な歴史を「資源」とし、それらを掘り起こし、記録し、次世代に伝えること、そして、そのこと自体を生涯学習社会における学習材として、それぞれの幸福(well-being)な人生の形成に資する共有の地域知としていくことを目指し、わたしたちは「一般社団法人時間旅行社ネットワーク」を設立いたします。
到来しつつあるAIやロボティクスと共生するSociety5.0の時代にも柔軟に参画しつつ、歴史を通じた過去・現在・未来の橋渡しを、あらゆる機会を通じて、かつ、それぞれの地域の実情や文化に適合させながら、歴史資料の保存・整理分析ならびに活用、世代間交流による地域社会の活性化、地域史に関するコミュニティデジタルアーカイブの開発と公開、食文化や祭り等の地域の生活史の復活・掘り起こしに関連した事業の企画運営を積極的に行います。
さらに、これらを多様な言語を用いて国内外に広く発信し続け、多様な日本の地域の姿を、世界中の人々と享受し続け、ネットワーキングし続ける文化の創造に挑戦します。
令和5年8月4日
一般社団法人 時間旅行社ネットワーク 定款
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